始めに
ベックリン「死の島」解説を書いていきます。
背景知識、伝記
ベックリンの基本的伝記
アルノルト・ベックリン(1827年10月16日- 1901年1月16日)は、19世紀のスイス出身の象徴主義の画家です。
1827年にスイスのバーゼルで生まれ、青年期以降はヨーロッパ各地を転々とし、大半をドイツおよびイタリアで過ごしました。1845年から1847年までドイツのデュッセルドルフで学んだ後、1850年から1857年までローマにいました。その後、ミュンヘン、フィレンツェ、チューリヒなどに滞在、晩年はフィレンツェ郊外のフィエーゾレに住みました。1874年から1885年までのフィレンツェ時代は円熟期で、『死の島』はこの時期の作品です。
主題
ベックリンは1880年から1886年の間にこの主題で作品を描いて、類似の内容、構成の作品として一連の「死の島」について描いています。
モデルなど
「死の島」は、イタリアのフィレンツェにあるイギリス人墓地がモデルとされ、この墓地は幼い娘マリアが埋葬された場所でもありました。
小島のモデルは、コルフ島近くの小さく緑豊かなポンティコニシ島とされ、糸杉の林の中に小さな礼拝堂があります。
作品世界
作品世界
「死の島」は暗い水辺に浮かぶ岩の小島を描いていており、手こぎの船が岸辺の水門と防潮堤のところへきています。船には白いものですっかり覆われて立つ人の姿があります。そのすぐ後ろには花綱で飾られた白いものがあり、棺と思われます。
狭い小島には、糸杉の木立があります。
その象徴性
ベックリンはさまざまに島をモチーフに絵を描いていています。
孤独な「死の島」は画家のペシミズム、文明への嫌悪、反俗的な主題を示します。
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