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ダリ「記憶の固執」解説

1900年代
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始めに

 ダリ「記憶の固執」解説を書いていきます。

背景知識、伝記

シュルレアリスム

 ダリは、シュルレアリスムに共感を覚え、アンドレ・ブルトンらとこの運動に参加しました。オートマティスムには懐疑的でしたが、映画『アンダルシアの犬』の撮影などで、シュルレアリスムとさらに接近します。

 ダリはやがて「偏執狂的批判的方法」と呼ばれる制作手法を考案しました。これは妄想や強迫観念を相対化して、それを美学的再現のレベルに落とし込む手法で、本作もそのような精神に貫かれて展開されています。

製作背景

 ダリは自伝の『我が秘められた生涯』で、本作品について夕食の溶けかけのカマンベールチーズから着想を得たとしており、ポルト・リガトの絶壁の風景画に柔らかな時計を描き加えたとされます。

 またアルベルト・アインシュタインが発表した特殊相対性理論および一般相対性理論の具象化がテーマになっています。

その後の展開

 1954年には『爆発する柔らかな時計のための習作』を発表し、『記憶の固執』で描いた柔らかな時計を爆発させて表現しています。そして同年『記憶の固執の崩壊』を制作し、『記憶の固執』で構築した世界観を破壊することで、シュルレアリスムへの決別を表現しました。

絵画世界

作品内容

 荒野の中で、金属製の時計が柔らかな表現で描かれていたり、時計にアリのような生物が群がる様が描かれています。遠くに見える黄金色の断崖は、現実世界におけるダリの故郷であるスペイン・カタルーニャ州のクレウス岬です。

 中央の怪物はダリ自身の顔がモデルです。

 

葉崎詩織

こちら絵画についてです。
あまり明るくないですが、むしろ小説、映画など他のジャンル研究との関連から。

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